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揚屋工事(2)

※最新の施工例や豆知識などは、ブログでご紹介しています。こちらも是非ご覧下さい。

施工の様子

前ページで掲載した調査等の結果、傾きは以下の通りであることが判りました。

 

まず、傾きを直す手段としては、基礎の要所に油圧ジャッキを入れる方法を用いました。元の地盤がかなり軟弱ですから、単に空間を充填してやるだけでは時間が経つとまた傾いてくる可能性がありますし、既存の建物を残すため地盤改良なども困難ですので、今後さらに傾きが発生する可能性もあります。ジャッキであれば再度傾きが発生しても調整が可能ですので、今回の事例に対しては有効であると考えました。

油圧ジャッキの設置例。

「再度傾く」という可能性を考慮して、ガスや水道の配管もしなおしました。水道管の接合部に蛇腹管を使い、ズレを吸収できるようにしています。ガス管ではこの方法は使えないため、基礎がしっかりしている隣家との間の塀の土台を活用し、ズレが極力起こらないように配管しています。

配管の様子。水道管の接合部には蛇腹管を使い、再度ずれが発生した場合にも吸収できるようにしました。画面ほぼ中央の緑色のカバーが付いているのがガス管で、こちらは塀の基礎を活用して設置しています。

T様宅はやや古い設計であり、いわゆるベタ基礎ではありません。そうなるとジャッキの設置ポイントも新たに用意する必要があり、要所にまずコンクリート性の設置台を作ってやる必要がありました。この設置台は家の図面や室内の様子をを見ながら、荷重がかかりそうな場所を見極めて作っていきました。

ジャッキ設置用に、コンクリートで新たに基礎(設置台)
を作ります。
設置台を使った油圧ジャッキの設置例。基礎が入っていない
部分にはこのような形でジャッキを設置していきました。

 

ジャッキの設置が終わり、傾きが修正されたことを確認しましたら、空間に生コンクリートを充填していきます。


生コンクリート充填作業の模様。
作業により掘り出された土。土嚢にして積み上げて
いますが、車庫や庭は土嚢でふさがってしまうほどの
量となりました。

作業完了

約2カ月の作業を経て、T様邸は無事水平を取り戻すことが出来ました。使用した油圧ジャッキは40個。調整した高さは最大約20cm程にもなりました。この40個の油圧ジャッキで、総重量50tにもなるT様邸の建物を支えました。

この地区は元々埋め立て地であり、地盤は軟弱といわざるを得ません。今後大規模な地震が再度発生した場合に、新たな歪みが発生する可能性は十分にあります。しかし今回の工事では外周布基礎まわりに5t、内部の布基礎下にも手作業で2tものコンクリートを充填しましたので、建物の支持方法を見直していることも併せ、沈下に強い建物となりました。

今回の工事にはT様にも大変ご満足いただけたものと自負しております。勿論水平を取り戻すことが出来たことが最大の理由ですが、当初覚悟していたタイルや風呂床の破損も全く起こすことなく終えられたことも大きな理由です。弊社や協力いただいた各社の作業スタッフの丁寧な仕事ぶりがこの結果に繋がったものと思っております。

弊社はこのT様邸以外にも、液状化被害の復旧作業に多く携わっており、被害状況に応じて最適な復旧方法をご提案させていただくことが出来ます。液状化など地震による被害にお悩みの方は、是非お問い合わせ下さい。

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